「ご教示/ご教授ください」の意味や使い方!違いや使い分け・誤用例文

目上の人に「ご教示ください」または「ご教授ください」と言ったことはありますか。かなり似ているものの全く違う言葉で、非常に誤用されやすいですが、意味と使い方が分かれば使い分けもできるようになります。「ご教示ください」「ご教授ください」の違いについて解説します。

「ご教示/ご教授ください」の意味や使い方!違いや使い分け・誤用例文のイメージ

目次

  1. 1「ご教示/ご教授ください」の意味とは?
  2. 2「ご教示ください」と「ご教授ください」の使い方
  3. 3「ご教示ください」と「ご教授ください」の違いと使い分け
  4. 4「ご教示/ご教授ください」の例文
  5. 5「ご教示/ご教授ください」をビジネスやメールで使うコツ
  6. 6「ご教示/ご教授ください」を目上の人や上司に使う際の注意点
  7. 7「ご教示ください」と「ご教授ください」は意味が違う言葉

「ご教示/ご教授ください」の意味とは?

「ご教示ください」も「ご教授ください」も、ビジネスメールで見かける「何となく固い感じがする言葉」です。ビジネス用語はこういった言葉が多いですが、この二つは特に誤用が多いと言えるでしょう。意味を知らずに使っていると目上の人から「正しい日本語の使い方も知らないのか」と思われてしまいます。

「ご教示ください」と「ご教授ください」は共に「教えてください」という意味ですが、「何を教えるのか」が違います。英語で言うと「ご教示」が「tell」で、「ご教授」が「teach」です。今回は日本語の範囲で解説しますが、英語ではこのような関係であることも覚えると良いでしょう。

「ご教示ください」の意味

【ご教示の意味】

教示(きょうじ) 手段や情報を教えること

「ご教示」の「教示」という言葉の辞書的な意味は、「手段、情報を教え示す」ことです。たとえば「部屋を借りたい時、どうやったら借りられるのか」を教えることは、手段を教える意味での「ご教示」です。「相手に都合のいい日時を教える」ことは情報を知らせる意味での「ご教示」となります。

「どうやったら部屋を貸してもらえるのか」や「都合のいい日時」は専門的な知識や特殊技能ではなく、「単純な情報」です。つまり、「ご教示」で教えるのはそういった「誰でもできる・知ることが出来る情報」ということになります。

これを踏まえて「ご教示ください」の意味を考えると、「やり方や情報を教えてください」という意味となるのです。繰り返しになりますが、「ご教示」が教えるものに専門的な知識や特殊技術は含まれません。

「ご教授ください」の意味

【ご教授の意味】

教授(きょうじゅ) 専門的な知識や技能を教えること

「ご教授」の「教授」の辞書的な意味は「専門的な知識・技術を教え授ける」ことです。大学の教員という意味の名詞「教授」もありますが、今回取り上げる「ご教授」は動詞の方です。

「ご教授」が教えるのは、「学ばないと身につけることが出来ない専門知識や技術」となります。たとえば楽器の弾き方、スポーツ、医学やプログラミング知識といったものは何度も練習したり、しっかり勉強したりしない限り身につきません。「ご教授」の意味はこのような「誰にでもすぐにできるわけではないもの」を教える言葉なのです。

この意味から、「ご教示」と比べて「ご教授」は重みのある言葉という印象があります。目上の人にメールで「ご教授ください」と書くと、少し重苦しいと思われる可能性もあります。状況に応じて使い分けをしていく必要があるでしょう。

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「ご教示ください」と「ご教授ください」の使い方

「ご教示ください」と「ご教授ください」は誤用が多いとよく言われますが、ではどんな使い方をするのが正しいのでしょうか。また、どちらも大まかに言うと「教えてください」という意味で使えますが、メールや口語で使っても良い言葉なのでしょうか。

基本的な「ご教示ください」と「ご教授ください」の使い方

「ご教示ください」も「ご教授ください」も、要するに「教えてください」というお願いの意味の表現です。当然の話ではありますが、相手に何かを教えて欲しい時に使うのが基本的な使い方になります。教えを乞うわけですから、相手は上司や先生と言った目上の人が多いでしょう。

「ご教示ください」と「ご教授ください」は基本的にメールのような書き言葉で使われます。口で言うには少々固すぎる上に、「ご教示」と「ご教授」は読み方までかなり似ていることから聞き間違いが起きやすいです。

「ご教示ください」と「ご教授ください」の丁寧な使い方

【丁寧な「ご教示ください」の表現】

「ご教示お願いします」
「ご教示をいただきたく存じます」
「ご教示いただけると幸いです」

【丁寧な「ご教授ください」の表現】
「ご教授願いたいと存じます」
「ご教授いただけますでしょうか」
「ご教授願えますでしょうか」

どれも「ご教示ください」「ご教授ください」と同じ意味のまま、もっと丁寧にした表現です。もっと具体的な使い方に関してはこの後説明する例文で取り上げますが、目上の人に使うならこれらの表現の方が適切でしょう。「ご教示ください」「ご教授ください」だけでは敬意不足に思われる可能性があります。

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「ご教示ください」と「ご教授ください」の違いと使い分け

「ご教示」と「ご教授」は大変誤用が多い言葉です。意味で説明した通り、「ご教示ください」と「ご教授ください」は「教える内容」が違います。つまり、この「意味の違い」を知らないと誤用してしまうのです。

読み方や漢字がよく似ていることも誤用や混同の原因ですが、上手く使い分けできないと目上の人から「日本語がなっていない」と思われてしまいます。ここでは「何を教えて欲しいのか」をよく考えると、自然とどちらが正しいのかが見えていくでしょう。また、混同されることの多い「ご示唆」についても説明します。

「ご教示ください」と「ご教授ください」の意味の違い

【ご教示とご教授で教える内容】

ご教示 単純な情報
ご教授 専門的な知識や技能

「ご教示」と「ご教授」は、実は漢字からしても全く違います。「ご教示」は「教え示す」ものであり、「ご教授」は「教え授けるもの」です。「示す」は「見せる」ことですが、「授ける」は「あげる、渡す」という意味を持っています。

「ご教示」と「ご教授」は、「教える内容」の種類も全く違います。繰り返しになりますが、「ご教示」は「明日の天気」や「相手の都合のいい日」、「部屋の鍵のありか」といった、誰にでもすぐに分かるような「情報」を教えます。一方「ご教授」が教えるのは「習得することで使えるようになる知識・技術力」です。

「情報」と「知識や技術力」は違うものです。使い分け方としては、「何を教えて欲しいのか」で判断するのがベストでしょう。

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「ご教示ください」と「ご教授ください」の誤用例文

【「ご教示ください」と「ご教授ください」の誤用例文】

「先日いただいた資料について、このような結果となりました。何かお気づきの点がございましたらご教示くださいますようお願い申し上げます。」
「明日の打ち合わせ日程の詳細をご教授ください。」

仕事でよくあるシーンでの「ご教示」と「ご教授」の誤用例文です。「ご教示」の使い方は意味を知ればなんとなく分かってきますが、「ご教授」を使える範囲は少し微妙なものがあります。

例文にあるように、「結果から分かったことがあったら教えてください」は「ご教授」です。また、「この言葉の意味を教えてください」という場合も「ご教授」を使います。どこまでが「ご教授」なのかが難しいため、自信がなければ使うのを避けた方が良いでしょう。

「ご示唆ください」との違い

【ご示唆の意味】

ご示唆(しさ) それとなく指し示すこと、仄めかすこと

特に「ご教示」との誤用で他にあるのが「ご示唆」です。「ご示唆」も「示す」ですが、意味は完全に違う言葉です。「ご示唆」の元の言葉「示唆」は、「直接的ではなく遠回しに示す・伝える」という意味を持っている言葉です。

使い方として「ご示唆」そのものは目上の人に使えるものの、「ご示唆ください」と直接言うと不自然に思われる可能性があります。「ご示唆ください」は「ほのめかしてください」という意味になり、普段私たちは「ほのめかしてください」などと依頼しないでしょう。

「ご示唆」は「目上の人が私が気付かなかったミスをご示唆くださった」といった使い方が多いです。教えを乞うつもりでも、「ご示唆ください」と使うと別の意味に変わってしまうことから、話が見当はずれな方向に行ってしまう危険性があります。

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「ご教示/ご教授ください」の例文

誤用例文を先に紹介しましたが、次に正しい使い方の例文を見ていきます。ここでは「場面」と「対象」に分けていることから、「ご教示ください」と「ご教授ください」の例文を一緒に紹介しますが、分かりやすくするため「ご教示」と「ご教授」もそれぞれ分けて解説します。

「ご教示ください」と「ご教授ください」の例文【場面別】

【「ご教示ください」の例文】

「コンピューター室のカギの保管場所を知っている方がいましたらご教示お願い致します。」(ビジネス、学校)
「可能でしたら、貴社に伺える都合の良い日にちをご教示いただけないでしょうか。」(ビジネスメール)
「社員旅行の集合場所の詳細のご教示をお願い致します。」(ビジネス)

【「ご教授ください」の例文】
「今後とも畑中先生からご教授願いたいと存じます。」(学校)
「お気づきの点がございましたらご教授くださいますようお願い致します。」(ビジネス、学校)
「何卒ご教授いただければ幸いです。」(ビジネス、学校)

「ご教示ください」は様々な場面で使えますが、「ご教授ください」は大学や職場で使われることが多い言葉です。相手に教えを乞う時や、「これからも教えてもらいたい」という時に使いましょう。

「ご教示」も固い言葉なので、実際は相当丁寧なメールでもない限り「教えてください」と言う方が多いかもしれません。ですが、表現の一つとして覚えておくと良いでしょう。

「ご教示ください」と「ご教授ください」の例文【対象別】

【目上の人に対する「ご教示ください」の例文】

「明日の打ち合わせの時間について、ご存知でしたらご教示くださいますと幸いです。」
「社内システムの使い方と、ビジネスマナーのご教示をお願いしたいと存じます。」
「彼女にアカウントのログインのし方をご教示願います。」

【目上の人に対する「ご教授ください」の例文】
「物理学の権威である近藤様に、是非ご教授いただければと存じます。」
「今後もご教授賜りますようお願いいたします。」

「ご教示ください」も「ご教授ください」も、どちらも使う対象は目上の人や社外の人のような敬意を払う人がほとんどです。ここで言う「ご教示」「ご教授」は尊敬語という点と、言葉が固く丁寧な印象を持っていることから、同僚や部下にはほとんど使いません。

「ご教示/ご教授ください」をビジネスやメールで使うコツ

「ご教示ください」「ご教授ください」はビジネスシーン、多くはメール等で使われる表現です。固くて丁寧な言葉なので、「教えて欲しい」という気持ちを丁寧に言い表すにはうってつけでしょう。ビジネスメールでうまくこの表現を使うにはどのような使い方や使い分けをしていくのが良いのでしょうか。

依頼の他にもメールの結びの挨拶でも使える

「ご教示ください」と「ご教授ください」は相手に教えを乞う表現です。「システムの使い方が分からないから教えて欲しい」や「あなたに教えて欲しい」という依頼の言葉としても使えますが、メールの結びの挨拶に「今後も教えて欲しい」という意味で使うことも出来ます。

多くは「ご教授」の方を使うことが多いでしょうが、マナー講師へのお礼メールなどであれば「ご教示」を使います。恩師や尊敬している目上の人に使ってみるのも良いでしょう。

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情報を教えて欲しいなら「ご教示」・技能や専門知識を教えて欲しいなら「ご教授」

「ご教示」と「ご教授」の使い方のコツで大切なのは、使い分けです。この二語は誤用されやすいと何度も説明していますが、教える内容は全く違います。「ご教示」は「情報」、「ご教授」は「専門知識」とだけ覚えておけば使い分けできるようになるでしょう。

とはいえ、誰でもすぐに使い方をマスターできるわけではありません。どうしても使い分けできる自信がないのであれば、最低メールでも「教えてください」で済ましてしまうのも手です。

「ご教示/ご教授ください」を目上の人や上司に使う際の注意点

「ご教示ください」と「ご教授ください」は目上の人に使える表現です。「教えてください」を丁寧に言った言葉として使うのが良いでしょう。ただし、これは相手にお願いしている表現なので目上の人に対して使う時は命令っぽくならないように注意しなければなりません。

「ご教示ください」と「ご教授ください」のままでは使わない

「ご教示ください」「ご教授ください」は丁寧な表現です。しかし、「ください」のままだとお願いの意味が強すぎて不快に感じる人もいます。使うなら「ご教示いただけますと幸いです」や「ご教授をお願いいたします」の方が無難でしょう。

気にする気にしないは人によって違いますが、メールは言葉の意味が強く届きやすい特徴があります。表情が見えないため、たとえ敬語でも命令のように感じやすくなってしまうのです。あまりにも柔らかすぎると自信がないように見えますが、お願いの意味が強すぎないようにしましょう。

「ご教示ください」と「ご教授ください」は意味の違いと使い分けに注意

「ご教示」と「ご教授」は使い分けが大切です。メールだと聞き間違いも起こらないため、特に注意を払いましょう。間違った使い方をすると誤解されたり失礼になったりするだけでなく、自分の無知さをさらけ出して恥ずかしい思いをしてしまう可能性があります。

「ご教示ください」と「ご教授ください」は意味が違う言葉

「ご教示ください」と「ご教授ください」の意味と使い方、また使い分けについて解説しました。この言葉のようなビジネス用語は、「他の人からのメールで見かけたから何となく使っている」ということが多いのではないでしょうか。しかし、その使い方は誤用に繋がってしまいます。

「他の人のメールで見たから使う」のではなく、きちんと意味や使い方を知ってから使うようにしましょう。特に「ご教示」と「ご教授」のような似た意味と読み方の言葉というのは意外と多いです。それでも使い分けを意識し、正しい日本語を使えるようになるのも社会人の最低限の作法と言えます。

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ふにょり
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