「齟齬(そご)」の対義語/意味/使い方や類語との違いを紹介【例文】

「齟齬が生じている」という表現を耳にすることがあります。使い方次第では相手を不快にさせてしまう言葉ですが、そもそも「齟齬」の意味や対義語について考える機会は少ないのではないでしょうか。今回は「齟齬」の対義語や意味・使い方、また類語との微妙な違いを解説します。

「齟齬(そご)」の対義語/意味/使い方や類語との違いを紹介【例文】のイメージ

目次

  1. 1「齟齬(そご)」の意味
  2. 2「齟齬(そご)」の使い方
  3. 3「齟齬(そご)」の例文【ビジネス編】
  4. 4「齟齬(そご)」の類語・言い換え表現
  5. 5「齟齬(そご)」の対義語
  6. 6仕事で「齟齬」が生じないように注意しよう

「齟齬(そご)」の意味

「齟齬」はどちらの字も難易度がかなり高く、日常ではまず使いません。この言葉以外でお目にかかることがまずないため、「齟齬って言葉はたまに見るけれどどうやって読むの?」という人もいるでしょう。見出しのタイトルにあるように、「そご」と読む言葉です。

「齟齬がある」「齟齬が生じる」とは聞きますが、そもそも「齟齬」とはどういう意味の言葉なのかを考えねばなりません。対義語のことを考える前に、まず「齟齬」自体の意味を理解するところからスタートしましょう。

「齟齬」の意味は「意見の食い違い」

【齟齬の意味】

齟齬 意見や話の食い違い、またはそれによる対立

「齟齬」の意味を一言で言い表すと「食い違い」です。日常会話や仕事でも、相手と話していて「なんだか自分と相手で言っていることや考えが噛み合っていないような…」と思うことは誰にでもあるでしょう。

それで終われば問題はないのですが、そこからお互いが対立するところまで行ってしまうのが「齟齬」です。「齟齬」は単純に「食い違い」だけではなく、「対立」の意味合いも含んでいます。「なんだかかみ合っていませんね」という意味で使うことも出来ますが、なんとなくネガティブな印象を与える言葉です。

「齟齬」は上の歯と下の歯が噛み合わないイメージ

「齟齬」という言葉は、「歯と歯が噛み合わさっていない」様からきた言葉です。「齟」と「齬」の偏(漢字の左側)をよく見ると、どちらも「歯」の旧字体が使われているのが分かるでしょう。また「齟齬」の「齬」は「入れ違いになる」という意味です。

人間の歯はきちんと噛み合わさることでご飯を食べることが出来ます。歯車だって、お互いの歯が噛み合わさっているからスムーズに回って役目を全うすることが出来るのです。

逆に噛み合っていないと、それも上手くいかなくなってしまうでしょう。「齟齬」とは、その「噛み合わず上手くいっていない」状態を指した言葉なのです。このように、言葉が指す状況を知ることで意味も理解しやすくなります。

「齟齬(そご)」の使い方

次に、「齟齬」の使い方を考えてみましょう。対義語を考える上でも、正しい使い方を知っておくことも大切です。

意味の項でも説明しましたが「齟齬」には少しネガティブなニュアンスが含まれています。使い方に気を付けないと、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

そんな言葉をビジネスでお客様や上司に使っても良いのでしょうか。「齟齬」の使い方の基本と、その注意点についても併せて解説します。

「齟齬」の基本的な使い方は?

【齟齬の使い方で頻繁に出る表現】

表現 意味
齟齬がある 食い違いがある(存在する)
齟齬が生じる 食い違いが起こる

「齟齬」の使い方で最も多いのが、「食い違いがある」と「食い違いが起こる」という意味の「齟齬がある」や「齟齬が生じる」です。大体「齟齬」と一緒に使われるのはこれらが多いのではないでしょうか。

基本的に「話や認識にずれがあるな」と感じた時に使う、といった使い方が多いでしょう。それは「実際に話している相手と齟齬を感じている話者(第二者)」でも、「食い違った話を間近で聞いている・または考えを聞いている人(第三者)」でも使えます。「齟齬」自体に「この人は使えてあの人は使えない」ということはまずありません。

「齟齬がある」の対義語は、当然ながら「齟齬がない」です。「齟齬がないかどうかチェックしてください」という使い方もあります。

「齟齬」はネガティブな言葉なので使い方に注意

使い方で特に気を付けたいのは、「齟齬」には「対立」などのネガティブな意味があることです。よって仕事でお客様や上司には使わない方が良いでしょう。

たとえば自分の部下から「あなたと私には認識に齟齬がありますね」と言われたら、どう感じるでしょうか。生意気だな、と反感を感じる人も多いでしょう。このように、「齟齬」はちょっとした使い方で相手に嫌な思いをさせやすい側面があるため、注意しなければなりません。

「齟齬(そご)」の例文【ビジネス編】

「齟齬」の意味と使い方が知識として頭に入ったところで、具体的な例文を見てみましょう。実際に近い例文を見ることで、もっと使い方において正しいイメージを描くことが出来ます。「齟齬」はあまりビジネス向きの言葉ではありませんが、職場を想定した失礼にならない範囲での例文を集めました。

ビジネスシーンで使える「齟齬」の例文

【例文】

「部下の報告に呆然とするチームリーダーを見て、両者は目標の認識に齟齬があると感じた。」
「取引先の説明とこちらの言い分には齟齬が生じているらしい。」
「後で齟齬をきたすことのないように、しっかりと相手と考えの確認をしなければならない。」

主に仕事や職場で使えるような「齟齬」の例文です。意味からしてあまり良い印象の言葉ではないため上司やお客様、社外の人に直接言うのは控えた方が無難ですが、例文のように状況説明や第三者の立場で使うのであればそこまで問題にはならないでしょう。

「あなたと私に齟齬がある」というような使い方をしてしまうと、相手の意見を批判しているように捉えられるリスクがあります。どうしても食い違いを指摘したいのであれば、これから紹介する類語を使うのも選択肢の一つです。

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その他の場面の「齟齬」の例文

【例文】

「この一連の疑惑は、事実と報道に齟齬がある。」
「そのケンカ、彼氏と彼女の間で齟齬があったのでしょうね。」
「私の両親は、お互い金銭感覚や価値観など随所に齟齬が生じている。」

仕事から日常でも使える「齟齬」の例文です。「齟齬」自体は難しくて固い感じがする言葉ですが、日常でも用いることが出来ます。漢字も難しいため、書けるようになる必要はそこまでありませんが、可能であれば読み方や意味と使い方も習得できるようにすると良いでしょう。

「齟齬(そご)」の類語・言い換え表現

「齟齬」の意味と使い方を解説したのでそろそろ対義語を…といきたいところですが、その前に類語も一緒に覚えてしまいましょう。「齟齬」はビジネスシーンでやや使いづらい言葉なので、類語を使うことで余計なトラブルを回避しやすくすることが出来ます。

「齟齬」の類語は「矛盾」「ずれ」「食い違い」など

「齟齬」の類語と言えるのは「矛盾」「ずれ」、意味の説明でも登場した「食い違い」などです。ただし類語と言っても「似た意味の言葉」というだけで、「齟齬」そのものとは若干意味に違いがあります。類語と「齟齬」は必ずしもまったく同じ意味や使い方ではないというわけです。

逆に言うと、この意味の違いをうまく使うことが出来れば、「齟齬」を使うことで生じるネガティブな印象を与えずに済むことができます。相手に「齟齬」を使うのははばかられるという時は、これらの類語を使うと良いでしょう。

「齟齬」の類語1:「矛盾」

【例文】

「上司から矛盾している指示をされて困ってしまった。」

「矛盾」とは、二つの事柄のつじつまが合わない様を表す言葉です。たとえば、上司から「まだ新人だし、仕事はゆっくりやっていけばいいよ」と言われたので丁寧にこなしていると、他の上司から「仕事はスピードが大事!新人であろうが早くこなさないとやっていけないよ」と言われたら、それは「矛盾」と言えます。

何故なら「新人だから仕事はゆっくり覚えなさい」と「新人だろうが仕事は早く片付けなさい」は、まったく逆のことを言っていて同時に実現するのは不可能だからです。社会ではこの例のようなことが日常茶飯事ですが…大体の場合、結局どちらか一方をとる他ありません。

「矛盾」は「つじつまが合わない」様を指す言葉で、「食い違い」を指す「齟齬」とは少し意味に違いがあります。「私とあなたの意見は矛盾している」という使い方はしません。状況に合わせて「齟齬」を使うべきなのか、「矛盾」を使うべきなのかを見極めましょう。

「齟齬」の類語2:「ずれ」

【例文】

「彼らには、同じプロジェクト内でも認識のずれがあるようです。」

「ずれ」は「帽子がずれている」「折り目がずれている」というような物理的なものの他に、例文のような「食い違い」を指す意味もあります。他にも「考え方への隔たり」という意味もあり、平易な言葉ではありますが複数の意味があることから少々誤解を受けやすいところがあります。

誤解をされたらそれこそ「齟齬」が生じかねませんので、この類語を使う際は文脈からしっかりと意味を捉えられる使い方をしましょう。「ずれ」自体にネガティブなニュアンスはありませんが、人によってはあまり良い印象を感じない場合もあります。

「齟齬」の類語3:「食い違い」

【例文】

「カバンのつもりでトランクスと言ったら彼女が下着のことだと勘違いして、食い違いが起こっていた。」

「齟齬」の意味を説明する際にも用いた「食い違い」も、そのまま類語として使うことが出来ます。「齟齬」と違ってあまり相手に対して非難をするような意味合いは持っていません。

「私とあなたで食い違いがありますね」という使い方も出来ますが、どちらかというと実際は「両者の会話には食い違いがある」という第三者の客観的な立場で使われることが多いでしょう。上司に使っても良い言葉かと問われると微妙ですが、そこまで悪いイメージはありません。

「齟齬」の類語4:「異なる」

【例文】

「弊社の考えとは異なる点があるようです。」

「異なる」は「違い」を指す言葉です。一見「齟齬」とは少し違う意味に見えますが、「あなたと私で考えが違っている」という意味で「食い違い」を表すことが出来る便利な表現になります。「齟齬」が持っているような刺々しさはなく、また柔らかい表現なのでお客様や上司には「異なる」を使うのが最も反感を抱かれにくい表現でしょう。

「齟齬」の類語まとめ

【齟齬の類語一覧】

矛盾
ずれ
食い違い
異なる
不一致
相違

「齟齬」の類語をまとめるとこのようになります。上記で紹介しきれなかった類語も一緒にまとめました。若干「齟齬」とは意味や使い方に違いがありますが、大体同じような意味で使うことが出来ます。

ビジネスで使うのであれば「異なる」や「不一致」が適切な表現でしょう。仕事でネガティブな意味合いを持つ言葉は使わない方が無難なので、使っても問題ない場面かどうか確認するか、上記のような類語を使って対処していく必要があります。

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「齟齬(そご)」の対義語

さて、やっと最後に「齟齬」の対義語を説明します。そもそも対義語とは、簡単に言うと「逆の意味を持つ言葉」です。たとえば「光」と「闇」、「善」と「悪」はお互い逆のものを指していますので対義語と言えます。

とはいえ「逆」とは時間と共に人が定めたものです。「正義と悪は同じになりうるから対義語ではない」「白と黒は対義語とは限らない」と考える人もいることから対義語は難しいものですが、今回はそのようなことは気にせず素直に「齟齬とは逆の意味」を持つ言葉を考えてみましょう。

「齟齬」の場合、対義語は「食い違いがない」「噛み合っている」という意味の言葉になる筈です。「齟齬」の対義語と言える言葉はどのようなものがあるのでしょうか。

「齟齬」の対義語は「符合」「疎通」「合致」など

「齟齬」も対義語と言える言葉は「符合」「疎通」「合致」などが当てはまります。これらの対義語の内、日常で「意思疎通」の「疎通」や「合致」はよく聞きますが、「符合」はあまり聞き慣れない単語ではないでしょうか。

また一言に対義語と言ってもそれぞれ色々な意味を持っているため、ここでもそれぞれの意味とどのような形で「齟齬」の対義語なのかを見ていきます。「齟齬」の対義語としてだけでなく、一つの言葉として使えるようになることも大切です。

「齟齬」の対義語1:「符合」

【例文】

「この紙は、ちぎれてしまったこの本のページと符合する。」

「齟齬」の対義語の中に、「符合」という言葉があります。あまり日常では聞かない言葉ですが、「二つのものがぴったり合わさる」という意味の言葉です。足りないパーツがはまったり、二つに割れた木簡がくっついたりするようなイメージでしょう。

「符合」は読み方が同じで漢字も似ている「符号」と書き間違いしやすい言葉です。「符号」とは「+(プラス)」や「-(マイナス)」のような記号を指します。「符号」は「齟齬」の対義語でもないまったく違う言葉なので、コンピューターでの変換の間違いなどにも注意が必要です。

「齟齬」の対義語2:「疎通」

【例文】

「猫はこう見えて人間と意思疎通が出来る生き物だ。」

「疎通」も対義語になります。「通じる」、「スムーズに通る」という意味の言葉で、主に例文のような「意思疎通」「意思の疎通」という使い方がよくされます。「滞りなく気持ち考えが通じている」という意味で、「齟齬」の対義語と言える言葉です。

「意思疎通」以外でそこまで日常で使う言葉ではないですが、「阻むものがなくストレートに気持ちや言葉が通じている」意味の言葉として覚えておくと良いでしょう。「通じている」という意味の表現を他の言葉で言い換えようとすると、意外と出てこないものです。

「齟齬」の対義語3:「合致」

【例文】

「その意見は会議で合致した。」

「合致」も「齟齬」の対義語に数えられます。同じく対義語として紹介した「符合」は「二つ」というイメージですが、「合致」はもっと多くのものが「ぴったり合う」イメージを持っています。

よく似た言葉の「一致」も「齟齬」の対義語になりますが、「一致」と「合致」は必ずしも同じではありません。「合致」を使う表現は「一致」で言い換えられる半面、「一致」を使うものは「合致」と言い換えることが出来ないのです。

「齟齬」の対義語まとめ

【齟齬の対義語】

符合
疎通
合致
一致

「齟齬」の対義語をまとめるとこうなります。実際に使う際は正義と悪のような「これはこの言葉の対義語だ」と意識して使うことはないでしょうが、言葉を理解する上で対義語を知ることは案外大切です。対義語を知ることで、その言葉をどういう時に使えるのかが分かるようになります。

仕事で「齟齬」が生じないように注意しよう

「齟齬」の意味と使い方、そして対義語について解説しました。日本語は日本人にとっても難しいもので、言い方や表現一つで簡単に「齟齬」というものはできてしまいます。しかも「齟齬」があるせいでケンカに発展したり、トラブルが起こったりしてしまうから厄介なものです。

同じことはビジネスでも起こります。個人間の「齟齬」であればまだ謝れば済む話でも、仕事上の「齟齬」は会社の信頼にまで関わることすらあるでしょう。そうならないよう、逆に対義語で紹介した「疎通」が出来るようにお互いが気を付けなければなりません。

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この記事のライター
ふにょり
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