離職率の平均とは?日本での業界別・職業別で退職率をまとめました!

離職率は企業の人材流動性を表す数値です。日本での離職率の平均を業界別と職業別でまとめました。離職率の平均が高い業界と低い業界、正規雇用と非正規雇用の離職率の差、新卒入社した人が3年以内に離職する割合などを紹介しています。

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目次

  1. 1「離職率の平均」とは?
  2. 2「離職率の平均」退職率【業界別】
  3. 3「離職率の平均」退職率【職業別】
  4. 4「離職率の平均」が高い企業と低い企業の特徴は?
  5. 5「離職率の平均」新卒入社ではどれくらい?
  6. 6「離職率の平均」は目安のデータ
  7. 7「離職率の平均」を就職活動で活かす

「離職率の平均」とは?

離職率は自身が希望する条件の企業を見つけ、長期的に安定したキャリアデザインを行うために確認しておいたほうがいい企業データです。

また、離職率は自己都合退職者や会社都合退職者を含むため、企業における人材の流動性を表す数値となっています。

離職率の調べ方

日本の離職率を調べるためには毎年厚生労働省が公表している雇用動向調査結果があります。これは主要産業における入職・離職及び未充足求人の状況並びに入職者・離職者に係る個人別の属性及び入職・離職に関する事情を調査しまとめられたものです。

調査の範囲は日本標準産業分類に基づく16大産業の内、5人以上の常用労働者を雇用する事業所という条件の中から無作為抽出した事業所とその事業所の入職者・離職者となります。

雇用動向調査結果では入職と離職の推移、産業別の入職と離職、性・年齢階級別の入職と離職、転職入植者の状況、転職理由別離職の状況など様々なデータを見ることができます。

ただし、日本企業の大部分が中小企業の産業界で、パートタイム労働者が増えて続けている今は全ての条件を満たしている調査ではないことは留意してください。

離職率の計算方法

雇用動向調査結果の中で離職率とは、離職者数割る1月1日現在の常用労働者数に100を掛けた数字(単位はパーセント)と定義されています。これは1年間の平均離職率となります。

しかし、各日本企業が発表している離職率は上記の定義とは違う可能性があるので注意が必要です。

平均離職率の推移

雇用動向調査結果より離職率は以下の通りです。

平成28年15.0%(+0.8%)
平成27年15.0%(+1.3%)
平成26年15.5%(+1.8%)
平成25年15.6%(+0.7%)
平成24年14.8%(+0.0%)
平成23年14.4%(-0.2%)
平成22年14.5%(-0.2%)
平成21年16.4%(-0.9%)
平成20年14.6%(-0.4%)
平成19年15.4%(+0.5%)
平成18年16.2%(-0.2%)
平成17年17.5%(-0.1%)
平成16年16.0%(-0.3%)
注:カッコ内は入職率から離職率を引いた割合

日本の離職率は平成25年より4年連続入職率を下回る状況が続いており、売り手市場が続いています。しかし、一般労働者は平成28年度入職率より離職率が上回っており、対してパートタイム労働者は入職率が離職率を大きく上回っています。

平成28年度の離職率内訳

平成28年度、日本の離職者数は726万人でした。これは常用労働者数4846万人の15.0%となります。

一般労働者の場合は常用労働者3661万人の内、11.4%にあたる419万人。パートタイム労働者の場合は常用労働者1184万人の内、26%にあたる308万人です。

男女別の離職率は女性17.6%、男性は13.0%です。男性は入職率が下がって離職率との差が+0.3となっています。女性の場合、下がり幅は男性より大きいですが、女性の社会進出などにより平成24年から入職率が著しく上がっているため、28年度も離職率との差は+1.6%あります。

また、平成27年度の調査と比べて、入職者数は7万人減って離職者数は13万人増えていることから日本で労働人口の減少が起こっていることを知ることができます。

業界別と職業別から見た「離職率の平均」については次の項から紹介します。

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「離職率の平均」退職率【業界別】

次は業界別の退職率を見ていきます。平成28年度の業界別の退職率は以下の通りになっています。

鉱業、採石業、砂利採取業11.7%(-2.3%)
建設業7.7%(+0.2%)
製造業11.4%(-2.2%)
電気・ガス・熱供給・水道業6.8%(0.0%)
情報通信業10.2%(+2.5%)
運輸業、郵便業12.3%(-0.1%)
卸売業、小売業14.0%(+1.5%)
金融業、保険業9.4%(+0.6%)
不動産業、物品賃貸業11.5%(+4.6%)
学術研究、専門・技術サービス業13.4%(+5.7%)
宿泊業、飲食サービス業30.0%(+2.0%)
生活関連サービス業、娯楽業20.3%(+3.8%)
教育、学習支援業15.0%(+2.4%)
医療、福祉14.8%(+1.0%)
複合サービス事業7.7%(-0.1%)
サービス業(他に分類されないもの)19.1%(+0.4%)
注:カッコ内は入職率から離職率を引いた割合

鉱業、採石業、砂利採取業以外は概ね業界別の入職率が離職率を上回っています。特に学術研究、専門・技術サービス業と不動産業、物品賃貸業は業界別のデータの中でも入職率が離職率を4%以上も上回っています。

業界別の離職率が高い産業では宿泊業、飲食サービス業が30%を筆頭に生活関連サービス業、娯楽業が20.3%と続いています。逆に業界別の離職率が低い産業では電気・ガス・熱供給・水道業が6.8%で最も低く、建設業と複合サービス事業が同率の7.7%となっています。

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「離職率の平均」退職率【職業別】

業界別に続いて職業別の退職率を見ていきます。ここでいう職業別とは一般労働者とパートタイム労働者のことを指しており、一般労働者は概ね正社員や契約社員のことを表し、パートタイム労働者はパートやアルバイトなどそれ以外の雇用形態で働く労働者のことです。

一般労働者の退職率の推移

職業別で一般労働者に該当する方の退職率は以下のように推移しています。

平成28年11.4%(-0.4%)
平成27年11.8%(+0.6%)
平成26年12.2%(+0.8%)
平成25年12.4%(+0.2%)
平成24年11.3%(+0.2%)
平成23年11.0%(+0.7%)
平成22年11.3%(+0.4%)
平成21年12.9%(-1.4%)
平成20年11.7%(-0.7%)
平成19年12.2%(+0.3%)
平成18年13.1%(-0.5%)
平成17年13.8%(-0.4%)
平成16年13.1%(-0.5%)
注:カッコ内は入職率から離職率を引いた割合

平成22年より職業別で一般労働者の入職率は離職率を6年連続で上回っていましたが、平成28年は離職率が上回っています。

平成28年職業別で一般労働者の離職率自体は他の年に比べて低くありませんが、入職率が例年に比べて低いことからこのような結果となりました。企業側が正社員として労働者を登用する条件が厳しくなったとも考えられます。

パートタイム労働者の退職率の推移

次に職業別でパートタイム労働者に該当する方の退職率の推移を見ていきます。

平成28年26.0%(+3.0%)
平成27年25.2%(+3.8%)
平成26年25.1%(+4.8%)
平成25年24.7%(+2.1%)
平成24年25.1%(+0.9%)
平成23年23.1%(+1.0%)
平成22年24.1%(+0.1%)
平成21年26.7%(+0.5%)
平成20年24.8%(+0.4%)
平成19年25.9%(+0.8%)
平成18年26.3%(+1.4%)
平成17年30.3%(+0.7%)
平成16年26.7%(+0.4%)
注:カッコ内は入職率から離職率を引いた割合

職業別でパートタイム労働者に該当する方の退職率は平成16年の調査から13年連続入職率が離職率を上回っています。

一般労働者の入職率から離職率を引いた割合がマイナスになっており、平成28年の一般労働者とパートタイム労働者両方を合わせた入職者数が離職者を上回っていることから日本全体での非正規雇用割合がさらに増していることがわかります。

正社員登用に比べてアルバイトを登用する条件が企業側にとって非常に容易と捉えられていることがわかります。

「離職率の平均」が高い企業と低い企業の特徴は?

「離職率の平均」が高い企業と低い企業にはそれぞれ特徴があります。ここからはより詳しく、業界別の退職率から見える特徴を紹介します。

「離職率の平均」が高い企業の特徴

宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、サービス業(他に分類されないもの)等の業種に属する企業は離職率が高い傾向があります。

特徴として業種のくくりが対人のサービス業となるため忙しく、企業側が払うコストが主に人件費となるため給料が安い傾向があることがあげられます。

例えば、宿泊業・飲食サービス業は長期休暇やお盆休み・年末年始などに顧客が増えて休みが取りづらく定休日を設ける条件などが難しい業界です。

厚生労働省が公表している「就労条件総合調査の規模、産業別労働者1人平均年次有給休暇の付与日数、所得日数及び取得率(平成24年)」によると有給休暇の付与日数は他の業界とあまり差がありませんが所得日数はとても少なくなっており、取得率も29.8%と最下位となっています。

さらに平均給与も低く国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によると宿泊業・飲食サービス業は平均133万円と他の業界に比べてかなり低いです。

「離職率の平均」が低い企業の特徴

建設業、電気・ガス・熱供給・水道業、金融業、保険業、複合サービス業等の業種に属する企業は業界別の中でも離職率が低い傾向があります。

特徴として「離職率の平均」が高い企業とは逆にサービス業ではなく生活のインフラに係るものを生業としている業種が離職率の低い業界であるといえます。

「離職率の平均」が低い業種の中でも一番離職率の低いのは電気・ガス・熱供給・水道業です。普段の生活に必須なインフラを扱っているため、経営も安定しており各労働者の休暇を与える条件が容易です。

厚生労働省が公表している「就労条件総合調査の規模、産業別労働者1人平均年次有給休暇の付与日数、所得日数及び取得率(平成24年)」によると電気・ガス・熱供給・水道業は有給休暇の付与日数・取得日数ともに1位となっています。

さらに有給休暇の取得率は71.1%と他の業界より圧倒的に高い数値です。

なぜか「離職率の平均」が低い建設業

「離職率の平均」が低い業界で複合サービス業と共に同率2位なのが建設業です。
厚生労働省が公表している労働市場分析レポート「建設業における若年労働者確保の課題について」にて、離職率からだけでは見えない現状を知ることができます。

建設業の平均給与は学術研究、専門・技術サービス業に次いで高く267万円もあります。しかしながら、完全週休2日制は全産業が49.0%であるのに対し、建設業は27.4%と大きな差です。有給休暇取得率もワースト3位の36.1%と低いです。

また、55歳以上の割合は全産業が29.3%に対して、建設業は33.9%であり、29歳以下の割合も全産業が16.4%に対して、建設業は11.4%と産業全体で高齢化が顕著です。

新規高校卒就職者が3年以内の離職する割合も、全産業で40.8%ですが建設業では47.7%と平均より高いです。

以上のことから高齢化が進んでいる業界のため全体でみると離職率は低いですが、ワークライフバランスを意識する方が多い若年者の離職率は高いということがわかります。

「離職率の平均」新卒入社ではどれくらい?

次に若年者である新卒入社した人が3年以内に離職する割合を厚生労働省が公表している「新規学卒者の離職状況」から読み解きます。

中学卒
平成26年3月卒で3年目以内に67.7%(1年目45.4%、2年目14.4%、3年目7.9%)

高校卒
平成26年3月卒で3年目以内に40.8%(1年目19.5%、2年目12.0%、3年目9.3%)

短大等卒
平成26年3月卒で3年目以内に41.3%(1年目18.3%、2年目12.0%、3年目11.0%)

大学卒
平成26年3月卒で3年目以内に32.2%(1年目12.3%、2年目10.6%、3年目9.4%)

中学卒で約7割、高校卒・短大等卒で約4割、大学卒で約3割が3年以内に離職しているのが現状となっています。

過去のデータから比較すると全体を通して平均で数%の改善が見られます。特に高校卒では短大等卒に過去の統計と比べて離職率が逆転しており著しい変化です。

また、このデータでは勤続年数が長くなれば長くなるほど離職する可能性が低くなっています。

「離職率の平均」は目安のデータ

「離職率の平均」はあくまでデータという数字でしかありません。【なぜか「離職率の平均」が低い建設業】の項で述べたように離職率が高い低いだけでその企業が良い悪いを判断することは難しいです。

より具体的な企業分析を行うためには多角的なデータを読み解くことが必要です。また、実際に面接等で企業とそこで働く人に直接触れ合って確度の高い調査も行う必要があります。

その反面、業界・企業分析において離職率は目安になるデータでもあるため有効的に活用することが望ましいです。

「離職率の平均」を就職活動で活かす

ここまで日本の「離職率の平均」について業界別や職業別、新卒入社の3年以内の離職率などについての分析を行ってきました。

離職率を分析することで日本全体としては雇用動向は売り手市場であるといえます。しかしながら、平成28年の正規雇用は減少傾向に転じており、非正規雇用は増加傾向が続いています。

また、就職活動に使う企業分析などでは離職率は自身が希望する企業を探す条件の目安になるデータとはなりますが、応募する企業によって離職率の計算方法など事情はまったく異なります。

そのため、自身が希望する条件に合った企業が業界全体から見たときに離職率が高いか低いか比較することが必要です。

面接の際、直接面接官に当り障りのないように伺うか、その求人がハローワークを通したものなのであればハローワークの職員に自身が希望する条件を伝えたうえで企業の離職率も聞くこともできます。

離職率だけでブラック企業・業界だと決めつけることなく、自分自身が希望する仕事ができるように様々な情報を取り入れることが理想のキャリアデザインを描くために必要です。

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この記事のライター
セレンディップ
就労支援事業を運営している一般社団法人セレンディップです。 フリーランスで働く就労支援を始めるためクラウドソーシ...

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